
「食のまち」うすき
自然が育む食の宝庫
大分県臼杵市は山と海に囲まれた自然豊かなまちです。豊後水道の新鮮な海の幸と、山からの清らかな水に育まれた農の恵み、水も綺麗なことから味噌や醤油といった醸造文化が早くから根づいてきました。まちで取り組む有機農業の推進など、臼杵は自然の恵みに人の知恵と工夫を重ね磨き続けてきた「食のまち」として歩みを進めてきました。
特別な海「豊後水道」
臼杵の前に広がる豊後水道は、瀬戸内海と太平洋(黒潮)の潮がぶつかり合う、日本屈指の好漁場です。その特徴は潮流の速さ。魚は潮流に流されないために常に泳ぎ続け、プランクトンも豊富なため餌にも恵まれています。よく泳ぎよく食べる。そうして育った魚は旨味の強い身の引き締まった筋肉を蓄え味わいが濃くなるのです。全国的にも高い評価をいただいている「臼杵ふぐ」はこの特別な海の環境があってこそなのです。ちなみにブランド魚「関あじ」「関さば」も同じ大分の豊後水道で育っています。
臼杵ふぐの個性
豊後水道で育った臼杵のトラフグは、透き通るような白身の力強い弾力、そして上品な旨味が魅力です。加えて産地と消費地が近いという地の利を生かし“鮮度を厚みで味わう”独自の食文化が根づいています。刺身はお皿の柄が透けるほど薄いのではなく、あえて厚めに引くのが定番。市内にはふぐを出す店が数多く並び、料理人の技と工夫が重なって「臼杵ふぐ」という名は地元の食文化を象徴する存在となってきました。
食のまちとしての誇り
400年以上にわたる醸造文化・有機農業・循環型農業への取り組み・地域で根付いた多様な食文化が評価され、2021年にはユネスコ食文化創造都市ネットワーク(UNESCO Creative City of Gastronomy)にも加盟が認められました。臼杵の名前は、いまや国際的にも「食のまち」として認められています。
